原料は米・米麹・蒸留酒だけ。乳製品も卵もはちみつも魚も入りません。
みりんはヴィーガン対応?日本の甘い調味料を徹底解説

結論から言うと、みりんはヴィーガン対応です。本みりん・白みりん(塩みりん)、そして海外で「aji-mirin」として売られているアルコール分1%未満の「みりん風調味料」まで、標準的なみりんは米・米麹・水・蒸留酒だけで造られており、乳製品・卵・はちみつ・ゼラチン・魚由来原料は工程のどこにも登場しません。
みりんの原料
みりんは、蒸したもち米を米麹(コウジカビ Aspergillus oryzae で培養した米)と焼酎などの蒸留酒とともに発酵させて造られます。「もろみ」と呼ばれるこの醪は40〜60日かけて糖化・熟成し、その後、伝統的には布袋に入れて重石で搾ります。アルコール分が発酵を途中で自然に止めるため糖分が残り、これがみりん特有の甘みになります。この工程のどの段階にも動物由来原料は入りません。
店頭に並ぶ4つのタイプ
ラベルの「みりん」は実は4種類の異なる商品を指すことがあり、味わいだけでなく酒税法上の分類にも関わります。
- 本みりん — 米・米麹・水・蒸留アルコールで造られ、アルコール度数は約14%。酒税法上「本みりん」を名乗るにはアルコール分15%未満・エキス分40%以上である必要があり、酒類として課税されます。
- 白(塩)みりん — 本みりんと同じ造りですが塩分1.5%以上を加えることで酒類ではなく調味料として分類され、酒税が免除されます。
- 新みりん・みりん風調味料 — アルコール分1%未満で、伝統的な醸造は行いません。ブドウ糖や果糖ぶどう糖液糖、水、発酵調味液、クエン酸、場合によっては安息香酸ナトリウムなどの保存料をブレンドしたものが典型です。
- aji-mirin(あじみりん) — 海外市場でこうしたアルコール分の低いみりん風調味料(アルコール度数8%前後、銘柄によっては最大14%程度まで幅があります)をまとめて指すマーケティング上の呼び名で、水・コーンシロップやブドウ糖シロップ・アルコール・米・塩(約2%)といった原料表示が一般的です。
確認した限り、これら4タイプはいずれも原料表示上は植物性です。
実在ブランドで確認した原料表示
- Yutaka みりん風調味料(英国) は小売店により「グルテンフリー・ヴィーガン」と明記されており、原料はグルコースシロップ・水・発酵米アルコール(2%、水・米・アルコール・塩・クエン酸・米麹酵素から構成)・廃糖蜜・クエン酸です(小売店により表示がわずかに異なり、砂糖やスピリットビネガーを含む版もあります)。
- タカラ本みりん は日本を代表する本みりんブランドの一つで、もち米・米麹・水・蒸留アルコール(13.5〜14.5%)・ブドウ糖/デキストロース/麦芽糖シロップと表示されており、塩・保存料・動物性原料は含まれません。
- オーサワの純米本みりん は有機もち米・米焼酎・米麹・海塩で造られ、ヴィーガン・USDAオーガニックとして販売されています。
- 三徳 有機三河みりん も同様の米ベースの原料表示で、塩入りタイプも用意されています。
アルコール分は気にすべきか
本みりんはアルコール度数約14%で、日本の酒税法上も実際に酒類にあたります。加熱調理でアルコールの一部は飛びますが、キッコーマンの用語集も「加熱すると大部分が揮発する」とだけ述べており、正確な割合は示していません。「煮切れば完全に飛ぶ」という説は割り引いて考えるべきです。ヴィーガンとは別の理由でアルコールを避けたい場合は、アルコール分1%未満の新みりん・みりん風調味料を選びましょう。海外のスーパーで「mirin seasoning」として売られているのも主にこのタイプです。
ワインや日本酒が抱える「清澄剤問題」をみりんが避けられる理由
ワインやビールがヴィーガン対応でないことが多いのは、魚の浮き袋由来のアイシングラス、ゼラチン、卵白といった動物由来の清澄剤(おり下げ剤)を瓶詰め前の清澄化に使うためです。日本酒でも歴史的に同様の技法が使われてきましたが、BSE問題があった約20年前から業界全体で減少傾向にあります。みりんはこの点で事情が異なり、伝統的には発酵させたもろみを布袋に入れて重石で物理的に搾ることで清澄化されており、動物由来の清澄剤を加える工程は見当たりません。本みりんの製造にアイシングラス・ゼラチン・卵白が使われているという情報源は見つからなかった、というのが今回の調査結果です。すべての小規模な酒蔵にまで当てはまると断言はできませんが、ワインや日本酒と比べればみりんに有利な材料と言えます。
知っておくべき注意点(と、そうでないもの)
一部のヴィーガン成分チェックサイトには「一部のみりんははちみつを使っている可能性がある」という一般的な注意書きがあります。しかし今回の調査では、実際にはちみつで甘みをつけたみりん製品は見つかりませんでした。定型的な注意喚起であり、実在する製品を指しているわけではなさそうです。気になる場合はラベルを確認してください。
また、「かつおみりんふりかけ」(三島食品・浦島海苔・高丘産業などが販売)と混同しないよう注意してください。これは鰹節とみりんの両方を原料に含むふりかけであり、「みりんに魚が入っている」わけではありません。かつお節が入っている分このふりかけ自体はヴィーガン対応ではありませんが、みりんそのものとはまったく別の商品です。
まとめ
一般的な本みりん・白(塩)みりん・みりん風調味料であれば、ラベルにはちみつの記載がないことを確認すれば(まず記載はありません)ヴィーガン対応です。確実に選びたいなら、Yutakaのようにボトルに「vegan」と明記された商品を探しましょう。
Sources
FAQ
- みりんはヴィーガン対応ですか?
- はい。本みりん・白(塩)みりん・みりん風調味料といった標準的なみりんは、米・米麹・水・蒸留アルコールで造られており、乳製品・卵・はちみつ・魚由来原料は含まれません。
- 本みりんとaji-mirin(あじみりん)の違いは何ですか?
- 本みりんは伝統的な醸造でアルコール度数約14%、酒税法上は酒類に分類されます。aji-mirin(みりん風調味料)はアルコール分1%未満で醸造を行わず、ブドウ糖シロップ・水・発酵調味液などをブレンドしたものが一般的です。どちらも植物性原料のみです。
- みりんにはちみつは入っていますか?
- 今回の調査では、実際にはちみつで甘みをつけたみりん製品は確認できませんでした。一部のヴィーガンチェックサイトに一般的な注意書きはありますが、実在する製品を指すものではなさそうです。気になる場合はラベルを確認してください。
- みりんはワインや日本酒のように動物由来の清澄剤で清澄化されていますか?
- みりんの製造にアイシングラス・ゼラチン・卵白が使われているという情報は見つかりませんでした。伝統的には発酵させたもろみを布袋に入れて重石で物理的に搾ることで清澄化されており、化学的な清澄剤は使われません。
- かつおみりんふりかけはヴィーガン対応ですか?
- いいえ。かつおみりんふりかけは鰹節とみりんの両方を原料に含む米用トッピングであり、鰹節が入っているためヴィーガン対応ではありません。魚を含まないみりんそのものとは別の商品です。